DOCUMENTARY FILM
ONIGAWARA
ドキュメンタリー映画
『鬼瓦』について
日本書紀で記された瓦の歴史や鬼の伝承を紐解きながら「鬼瓦」の姿に迫ります。記録映画を通じて日本の伝統工芸・文化を国内外の方に発信するプロジェクトです。2024年以降劇場公開予定。
This film explores the history of kawara (roof tiles) as recorded in the Nihon Shoki (Chronicles of Japan) and the folklore of ogres. This project is designed to promote traditional Japanese crafts and culture to people in Japan and abroad through documentary films.
昨今、漫画の題材でも鬼に注目が集まっていますが、瓦の世界にもその昔から鬼が存在していました。
⻤⽡は棟端に置く装飾瓦の総称です。鬼の顔を象った瓦が鬼瓦というわけではありません。そして鬼瓦を製作する人々を鬼師と呼びます。一般的には魔除けの存在として考えられ、社寺仏閣の棟の端などに設置されています。鬼瓦の起源は古代ギリシャやエトルリアで使用されていた屋根飾りと繋がりがあるともいわれています。海外の聖堂にもガーゴイルなどが設置されていますが、動物の面や頭部の彫像は古来から魔除けに用いられてきた歴史があるそうです。日本の鬼瓦にもその歴史が受け継がれているのかもしれません。
6世紀頃に仏教とともに伝わっとされる瓦。日本書紀には瓦の導入にあたって朝鮮半島の百済から瓦の技術者「瓦博士」4人が派遣されたとの記載があります。実際に日本で一番最初に建てられたと言われる飛鳥寺では、百済のものとそっくりの瓦が出土されています。日本の歴史・そして宗教とも密接に関わる瓦の存在。しかし初期の鬼瓦は現在のような鬼の姿をしていませんでした。一般的には魔除けの存在として考えられる鬼瓦はどのような経緯で現在の鬼の姿に変移していったのか。鬼瓦を製作する鬼師、研究者の取材をもとに象られる鬼の姿に迫ります。そして日本の鬼の伝承とも向き合いながら、その文化形成の魅力を国内外に向けて映画祭出品、劇場公開、配信を目指し制作を行ないます。